御朱印とは?

御朱印(ごしゅいん)とは、神社やお寺を参拝した証としていただける朱印と墨書きのことです。もともとは写経を納めた証として授与されていたものが、現在では参拝の記念としていただけるようになりました。
一つひとつが手書きで、同じ神社でも書く方によって味わいが異なるのが魅力です。神社名、参拝日、ご祭神にちなんだ印が一体となり、世界にひとつだけの作品になります。
御朱印の構成要素
御朱印には、いくつかの共通する要素があります。
- 中央の朱印: 神社やお寺の名前が刻まれた印。これが「御朱印」の名前の由来
- 墨書き: 神社名、ご祭神名、奉拝の文字などが手書きされる
- 日付: 参拝した日付が記される
- 社紋・寺紋: 神社やお寺の紋が押されることもある
近年は、イラスト入りや色鮮やかなアート御朱印も増えています。従来の素朴な美しさを持つ御朱印と、現代的なデザインの御朱印、どちらも魅力的です。
神社とお寺の御朱印の違い
意外と知られていませんが、神社とお寺では御朱印に違いがあります。
| 神社 | お寺 | |
|---|---|---|
| 呼び方 | 御朱印 | 御朱印(納経印) |
| 中央の文字 | 神社名が多い | 本尊名やお堂名が多い |
| 印の色 | 朱色 | 朱色 |
| 特徴 | 社紋入りが多い | 梵字が入ることも |
| 受付場所 | 授与所・社務所 | 納経所・寺務所 |
なお、神社とお寺の御朱印を同じ帳面に集めてよいかは議論が分かれますが、多くの場合は問題ありません。気になる方は、神社用とお寺用で分けるのもひとつの方法です。
御朱印帳の選び方

御朱印を集めるには、まず御朱印帳が必要です。ノートや手帳に書いていただくことはできないので、必ず御朱印帳を用意しましょう。
どこで買える?
- 神社・お寺の授与所 — その神社オリジナルのデザインが手に入る。初めての一冊を思い出の神社で買うのもおすすめ
- 文房具店・書店 — シンプルなものから華やかなものまで幅広い。東急ハンズやロフトにも取り扱いあり
- オンラインショップ — 種類が豊富で比較しやすい。レビューを参考に選べる
蛇腹式とブック式
御朱印帳には大きく分けて蛇腹式(じゃばらしき)とブック式の2種類があります。
蛇腹式は、長い和紙をジグザグに折りたたんだ形式です。もっとも一般的で、神社で購入できる御朱印帳のほとんどがこのタイプ。見開きで御朱印をいただけるのが特徴で、広げると一覧性が高く、コレクションを眺める楽しみがあります。
ブック式は、一般的なノートのようにページをめくる形式です。持ち運びしやすく、鞄の中で開いてしまう心配が少ないのがメリット。ただし、見開きの御朱印には対応しにくいケースがあります。
サイズ選び
- 大判(約18×12cm): 余白が広く、御朱印が映える。ダイナミックな御朱印をいただくときに最適
- 小判(約16×11cm): 持ち運びやすいコンパクトサイズ。女性に人気
初めての方には大判サイズの蛇腹式をおすすめします。書き手の方にとっても書きやすく、見栄えが良い御朱印をいただけます。
紙質のチェックポイント
御朱印帳の紙質は、御朱印の仕上がりに大きく影響します。
- 厚手の和紙: 墨がにじみにくく、裏写りしにくい。長期保存にも向いている
- 薄い紙: 軽くて持ち運びやすいが、裏写りすることがある
- 二重貼り: 表裏両面に書いていただける。一冊で集められる数が倍になる
購入前に紙の厚さを確認できるなら、指で触ってみて厚みを感じるものを選びましょう。
参拝の作法

御朱印は参拝の証です。「御朱印をもらう」ことが目的ではなく、まずは神様仏様に手を合わせることが大切。正しい作法で参拝してから、御朱印をいただきましょう。
神社での参拝手順
- 鳥居の前で一礼してから境内に入る
- 参道の端を歩く(中央は「正中」と呼ばれ、神様の通り道とされる)
- 手水舎(ちょうずや) で手と口を清める
- 右手で柄杓を持ち、左手を洗う
- 左手に持ち替え、右手を洗う
- 再び右手に持ち替え、左手に水を受けて口をすすぐ
- 左手をもう一度洗う
- 柄杓を立てて柄に水を流し、元に戻す
- 二拝二拍手一拝でお参りする
- 深く2回お辞儀(二拝)
- 胸の高さで2回手を打つ(二拍手)
- 心の中でお祈りをする
- 深く1回お辞儀(一拝)
- 参拝後に御朱印をいただく
お寺での参拝手順
- 山門の前で一礼してから入る(敷居は踏まない)
- 手水舎で清める(作法は神社と同じ)
- お線香やろうそくをお供えする(香炉や燭台がある場合)
- お賽銭を静かに入れる
- 合掌して一礼でお参りする(拍手はしない。神社との大きな違い)
- 参拝後に御朱印をいただく
よくある間違い: お寺で拍手をしてしまうこと。お寺では静かに合掌するのが作法です。
服装について
参拝に厳密なドレスコードはありませんが、神聖な場所であることを意識した服装が望ましいです。カジュアルな服装でも問題ありませんが、露出の多い服装やビーチサンダルなどは避けたほうが無難です。山の上にある神社を訪れる場合は、歩きやすい靴を忘れずに。
御朱印のいただき方

基本的な流れ
- 必ず先に参拝する(御朱印だけもらいに行くのはマナー違反)
- 授与所・納経所の窓口で「御朱印をお願いします」と伝える
- 御朱印帳をいただきたいページを開いて渡す
- 初穂料(300〜500円が一般的)を納める
- 書き上がるまで静かに待つ
- 受け取るときは「ありがとうございます」とお礼を伝える
書き置きの御朱印
神職の方が不在の場合や、混雑時には書き置き(あらかじめ紙に書いたもの)を用意していることがあります。書き置きは後から御朱印帳に貼ることができます。
貼り方のポイント:
- スティックのりやでんぷんのりで丁寧に貼る(液体のりはシワになりやすい)
- 御朱印帳のサイズに合わせてはみ出す部分はカットする
- 四隅だけでなく全体に薄くのりを塗ると、きれいに仕上がる
マナーと注意点
- お釣りが出ないように小銭を用意する。特に300円、500円をあらかじめ準備しておくとスムーズ
- 混雑時は待つ心構えを持つ。正月や例大祭の時期は1時間以上待つこともある
- 書いていただいている間は静かに待つ。スマホの操作音にも注意
- 写真撮影の可否は事前に確認する。境内の撮影がNGの場所もある
- 御朱印帳を忘れた場合は書き置きをお願いできる
- 受付時間は多くの場合 9:00〜16:00 ごろ。事前に確認するのが確実
よくある質問
Q. 御朱印に「順番」はある? A. 特にルールはありません。好きな順番で集めて大丈夫です。ただし霊場巡り(四国八十八ヶ所など)の場合は、専用の納経帳に番号順で集めるのが一般的です。
Q. 一日に何社も回って大丈夫? A. 問題ありません。ただし、一社一社しっかり参拝することを心がけましょう。スタンプラリーのように急いで回るのは避けたいところです。
Q. 子どもでも御朱印をいただける? A. もちろんいただけます。小さなお子さんの場合は、保護者が代わりにお願いしても大丈夫です。
御朱印集めをもっと楽しむコツ

記録をつける
参拝した日付、天気、そのとき感じたことを記録しておくと、後から振り返ったときに思い出が鮮やかに蘇ります。「あの日は雨だったけど、境内の緑がとても美しかった」——そんな記憶が、御朱印をさらに特別なものにしてくれます。
季節限定の御朱印を楽しむ
多くの神社では、季節ごとに限定の御朱印を用意しています。
- 正月: 新年特別御朱印、干支入り御朱印
- 春: 桜をあしらったデザイン
- 夏越の祓(6月): 茅の輪をモチーフにした御朱印
- 七夕(7月): 短冊や天の川をイメージしたもの
- 秋: 紅葉やイチョウのデザイン
- 大晦日: 年末特別御朱印
同じ神社でも季節ごとに違った御朱印をいただけるのは、リピートの楽しみにもなります。お気に入りの神社の公式サイトやSNSをフォローしておくと、限定御朱印の情報を逃さずキャッチできます。
テーマを決めて巡る
漫然と集めるのも楽しいですが、テーマを決めるとさらに奥深い体験になります。
- 七福神巡り: 各地にある七福神巡りのコース。すべて巡ると色紙や色紙が完成する
- 一之宮巡り: 各国(旧国名)の一之宮を巡る。全国制覇を目指す人も
- 花の名所巡り: 梅の名所、桜の名所、藤の名所など、花と一緒に御朱印を楽しむ
- ご利益巡り: 学業成就、縁結び、商売繁盛など、ご利益でテーマを決める
御朱印帳の保管
御朱印帳はお札やお守りと同じように大切に保管しましょう。
- 直射日光を避け、湿気の少ない場所に保管する
- 専用の御朱印帳ケースや桐箱に入れると、日焼けや汚れを防げる
- 複数冊になったら、神棚や本棚の上段など高い場所に置くのがよいとされる
デジタルでも管理する
紙の御朱印帳は大切な宝物ですが、万が一の紛失や劣化に備えて写真に撮ってデジタルでも記録しておくと安心です。「御朱印めぐり」アプリなら、御朱印の写真管理や参拝記録はもちろん、レベルアップやお守り収集で巡礼がもっと楽しくなります。
御朱印集めは、日本の文化や歴史に触れながら、自分だけの巡礼の記録を作っていく素敵な趣味です。マナーさえ押さえれば、あとは自分のペースで楽しむのが一番。まずは近くの神社から、一歩を踏み出してみましょう。
画像クレジット: 御朱印帳の御朱印 - Immanuelle (CC BY 4.0) / 御朱印帳 - Immanuelle (CC BY 4.0) / 龍の手水舎 - Maarten Heerlien (CC BY 2.0) / 伏見稲荷大社拝殿 - Stanislaus (Public domain) / 桜と鳥居(宇治上神社) - Yousuke (CC BY-SA 2.0)。画像はすべてWikimedia Commonsより。