波折神社
福岡県 福津市 福岡県福津市津屋崎4-33-1
由緒
吾輩は、波折神社に長らく住まう白狐じゃ。この地の由緒を、吾輩の記憶の限り語って進ぜよう。 波折神社は、福岡県福津市津屋崎に静かに鎮座する、実に古き社であるぞ。いつ頃、この地にその姿を現したのかは、人の世の記録には詳らかではないのじゃが、吾輩の覚えている限りでは、遥か昔より津屋崎の地に根ざし、この地の民草の信仰を深く集めておったのじゃ。 この社の主なる神は、広大な海を司る綿津見神じゃな。津屋崎は、古くから漁業で栄えた地であるから、海の安全と、獲物豊かな大漁を願う人々によって、綿津見神が祀られたのは、至極当然の理であるぞ。 歴史の糸を辿れば、津屋崎は玄界灘に面した、まことに重要な地点であったのじゃ。海上を行き交う船にとっての要衝であり、海の道を行く者たちの拠点として、大いに賑わったものじゃ。故に、荒ぶる海の安全を祈願する者や、網を打つ漁師たちからの信仰は、それは厚いものであったのじゃな。また、津屋崎はかつて、旅人たちが足を休める宿場町としても栄え、多くの人々が行き交う場所であったから、旅路の安全を願う者たちも、皆、波折神社に参拝していったものじゃ。 江戸の世には、この地の領主たる福岡藩主黒田家からの手厚い庇護を受け、社殿が新しく建てられたり、傷んだ箇所が修復されたりした記録も残っておるぞ。明治の時代に入ってからも、この地の民草によって大切に守り伝えられ、今に至るまで、津屋崎の守り神として、篤い信仰を集めておるのじゃ。 波折神社は、津屋崎の悠久の歴史と、この地の文化を静かに物語る、まこと貴重な存在であるぞ。そして、この地の民草にとって、心の拠り所として、これからもその大切な役割を果たしていくことだろうよ。