早馬神社 午年御縁年2026|津波を耐えた撫で馬と、12年に1度の限定御朱印
2026年は午年。宮城県気仙沼市の早馬神社が、12年に1度の「午年御縁年」を迎えている。全国でも数少ない「馬」の名を冠した神社が、1年をかけて特別な授与品を揃えた。その中心にあるのは、2011年の大津波を耐え抜いた撫で馬(神馬像)だ。
津波が耳先まで届いた
早馬神社は気仙沼市唐桑町の高台、海抜12mほどの地点に立つ。2011年3月11日、その高さをも凌ぐ津波が押し寄せた。境内の神馬像——地元では「撫で馬」と呼ばれる馬の石像——の耳先ぎりぎりまで水が届いたという。
倒れなかった。
社殿の床は水に沈み、神輿は汚損され、麓の宿浦集落は壊滅した。それでも神馬像は立っていた。その事実が気仙沼の人々にとって何を意味するか、外から来た参拝者が一言で言い切れることではない。ただ、「津波に耐えた撫で馬の頭と脚を撫でると、何事もうまくいく」という信仰は今も続いている。午年御縁年の今年、その馬に手を合わせるために訪れる人は多い。
12年に1度の「御縁年」
早馬神社では午年を「御縁年(ごえんねん)」と定めている。縁起物の神仏に縁の深い年を指す言葉で、寅年の毘沙門天や丑年の天神様と同じ考え方だ。馬を祀る神社が午年を「12年に1度の特別な巡り」とする解釈は理にかなっている。
2026年の1年間を通じて、通常とは異なる授与品が用意されている。
午年御縁年の授与品
午年御縁年限定御朱印(800円)は、通常の3色刷り御朱印とは異なる専用デザイン。令和7年(2025年)1月27日から授与が始まっており、年内いっぱい頒布される。受付時間は9:00〜16:00。
切り絵御朱印(1,200円)も用意されている。繊細な切り絵の技法を用いた御朱印で、御縁年ならではの特別仕様だ。
馬九行久守(うまくいく守)午年御縁年限定(白色)(500円)は、一番人気のお守りの御縁年特別版。通常版とは色が違う白色で、この年にしか手に入らない。
その他、絵馬(500円)、馬みくじなども授与されている。
1217年から続く縁
建保5年(1217年)、鎌倉幕府の御家人・梶原景実がこの地に社を建てた。景実の兄・梶原景時は源頼朝の腹心だったが、頼朝の死後に失脚し一族は滅んだ。景実はその後を憂いて鎌倉を去り、唐桑半島に至ったとされる。
景実と安産の縁も伝わる。北条政子が難産に苦しんだとき、源頼朝の命を受けた景実が祈願を行い、無事に男子(後の源頼家)が誕生した。その故事から早馬神社は安産・子育ての神としても知られる。
馬と安産と武家、という組み合わせは一見奇妙に見える。だが当時の武士にとって馬は命綱であり、「うまくいく」という言葉が今も生きているのは偶然ではない。
アクセス・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 宮城県気仙沼市唐桑町宿浦75 |
| 参拝時間 | 6:00〜17:00(授与所 9:00〜16:00) |
| 電話 | 0226-32-2321 |
| アクセス(車) | 三陸自動車道「唐桑半島IC」から約15分 |
| アクセス(公共交通) | 大船渡線「鹿折唐桑駅」からバス約25分 |
| 駐車場 | 境内40台、臨時(宿浦港)100台 |
| 午年御縁年期間 | 2026年1月〜12月 |
遠くて、だからこそ
気仙沼は東京から新幹線と在来線を乗り継いで3時間以上かかる。日帰りが難しい距離だ。ただ、12年に1度の御縁年という理由は、「遠い」への反論になりうる。
震災後に再建された宿浦の集落を歩き、高台の神社に上る。境内から唐桑半島の海を見下ろしながら、耳先まで水が来た撫で馬に手を当てる。そこで何かを感じるかどうかは、行った人にしかわからない。
次の午年御縁年は2038年だ。
画像: “早馬神社拝殿” by Makusakura, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
情報源: 早馬神社 公式サイト / 宮城まるごと探訪


