椿大神社 春季大祭2026|4月11日・12日、猿田彦の総本宮で神事能「鈿女」奉納
明日4月11日(土)と12日(日)の二日間、三重県鈴鹿市の椿大神社(つばきおおかみやしろ)で春季大祭が開催される。
猿田彦大神の全国総本宮
椿大神社は、日本全国に約2,000社ある猿田彦大神を祀る神社の総本宮だ。伊勢の国一之宮として、2,000年以上の歴史を持つとされる。
猿田彦大神は「道ひらきの神」として知られ、ものごとの最初に立って方向を示すとされる。転換期や新しい出発に際して参拝する人が多い。同時に武道の守護神でもあり、境内には武道館と弓道場が設けられている。
本殿の背後には「金竜明神の滝」という聖なる滝があり、禊(みそぎ)の場として今も使われている。松下幸之助が寄進した茶室「鈴松庵」も境内にある——財界人が足を運んだ神社でもある。
別宮の天鈿女命
春季大祭が二日間にわたる理由には、神話的な背景がある。
11日に大祭を行う本宮・猿田彦大本宮(椿大神社)と、12日に大祭を行う別宮・鈿女本宮(椿岸神社)は、それぞれ夫婦神を祀っている。椿岸神社の主祭神・天鈿女命(あめのうずめのみこと)は、猿田彦大神の妻神だ。
天鈿女命は「天の岩戸神話」で岩戸の前で踊った神様として知られ、芸能・舞・笑いの神でもある。この縁から椿岸神社は芸能の神として芸能人の参拝も多く、境内には多くの芸能人が奉納した絵馬が飾られている。
奉納行事:神事能「鈿女」
本宮春季大祭(4月11日)では、神楽殿にて神事能「鈿女(うずめ)」が午後1時30分から奉納される。演目は天鈿女命をモチーフにした能だ。
能は能楽堂よりも、神社の境内・神楽殿での上演の方が本来の形に近い。能は元来、神への奉納として生まれた芸能だからだ。「観る」というより「立ち会う」という感覚になる。
椿岸神社の境内では同時刻、舞椿会による詩吟・剣舞などの奉納演芸も行われる。
12日の別宮春季大祭(椿岸神社)では、岩若柳流による創作舞踊が祭典中に奉奏される。
二社の御朱印
椿大神社では4種類の御朱印が授与されている。
- 椿大神社(本宮):初穂料300円
- 椿岸神社(別宮):初穂料300円
- 寿老神:境内に鎮座する七福神のひとつ
- 三社龍神:書き置きでの授与
猿田彦大神と天鈿女命は神話の中で夫婦神として描かれるため、本宮・別宮の両方でそれぞれの御朱印を拝受していく参拝者も多い。二社をあわせて巡ることで、神話のひとつの物語が完結する構造になっている。
大祭期間は参拝者が増加する。書き置き対応になる場合があるため、御朱印帳の他に小銭(各300円)を準備しておくのが確実だ。
アクセス
椿大神社は鈴鹿山脈の麓、三重県鈴鹿市山本町に位置する。鉄道駅から距離があるため、車でのアクセスが現実的だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本宮春季大祭 | 4月11日(土)午前11時〜 |
| 別宮春季大祭 | 4月12日(日)午前11時〜 |
| 神事能「鈿女」 | 4月11日 午後1時30分(神楽殿) |
| 御御祈祷受付(11日) | 7:30〜9:30、14:30〜16:00 |
| 御御祈祷受付(12日) | 7:30〜16:00 |
| 所在地 | 三重県鈴鹿市山本町1871 |
| アクセス | 近鉄白子駅からタクシー約20分 |
「道ひらきの神」に参る時節
猿田彦大神を「道ひらき」の神と呼ぶのは、神話において天照大神の命を受けた天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の降臨の先導を務めたからだ。行く手を照らし、道を開く——この役割は、新しいことを始める人間の心理と共鳴しやすい。
春は、始まりの季節だ。大祭のタイミングに参拝することは、単に祭りを見物するだけでなく、千人規模の奉納神事に自分の参拝を重ねることでもある。
画像: “椿大神社 拝殿” by Bakkai, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons
情報源: 椿大神社 春季大祭 公式案内 / 椿大神社 公式サイト


