東京スカイツリーから隅田川を渡り、向島の住宅街を少し歩いた先に牛嶋神社(うしじまじんじゃ)はある。墨田区向島1丁目。隅田公園の北端、言問橋のたもとに面した境内は、周囲の喧騒と切り離されたような静けさを持っている。
2026年の例大祭は**9月19日(土)・20日(日)**の二日間。2027年に控える五年大祭の前夜にあたる「陰祭り」だ。
三つの扉を持つ鳥居
牛嶋神社を語るとき、まず三輪鳥居(みわとりい)を外せない。
通常の鳥居は一つの門だ。ところがこの神社の鳥居は、中央に大きな門、左右に小さな脇門を備えた三つ扉の構造になっている。この形式を三輪鳥居(別名・三ツ鳥居)と呼ぶ。
全国に現存するのは奈良の大神神社(おおみわじんじゃ)、静岡の三嶋大社、そして牛嶋神社の三社のみとされる。三柱の神を一組として祀る神社に設けられた形式で、奈良・大神神社の三輪山信仰が源流とも言われるが、起源については諸説ある。
牛嶋神社が祀るのも三柱だ。素戔嗚尊(すさのおのみこと)、天之穂日命(あめのほひのみこと)、そして清和天皇の皇子・貞辰親王命(さだときしんのうのみこと)——この地で薨去したとされる皇族がともに祀られている。三輪鳥居はその三神に対応した門として読める。
創建と撫牛
社伝によれば、860年(貞観2年)、天台宗の高僧慈覚大師円仁が隅田川のほとりを通りかかった際に神託を受け、素戔嗚尊を奉斎したのが始まりとされる。
境内で目を引くのが**撫牛(なでうし)**だ。黒い鉄製の牛の像が参道に置かれており、自身の身体の痛い箇所と同じ部位を撫でると治癒すると伝わる。狛犬や神使の狐とは異なる、牛という動物の信仰のかたち。素戔嗚尊との関連(牛頭天王信仰との習合)や、丑年・丑の刻との縁起から、牛はこの神社の核心的な存在になっている。
1923年(大正12年)の関東大震災と戦時中の空襲、どちらも牛嶋神社の境内は焼失を免れた。三輪鳥居も撫牛も、100年を超える近現代の激動を境内で過ごしてきた。
2026年の例大祭──5年に一度の前夜
牛嶋神社の例大祭は本来、9月15日に正式な祭典が行われ、その年が「5年に一度の大祭年」にあたると周辺各町の大神輿が一斉に渡御する形式をとってきた。大祭は隅田川東岸の広範な氏子地域——向島・押上・錦糸町周辺の約50町会——が一体となる大規模な神輿行事で、数万人規模の見物人が集まるとされる。
直近の大祭は2022年(令和4年)に開催され、次回は2027年が予定されている。
2026年はその間の年にあたる「陰祭り」。規模は縮小されるが、神事そのものは粛々と執り行われる。
9月15日(月・祝)── 例祭
境内で神職が祝詞を奏上する本祭。参拝者は通常通り境内に入れる。
9月19日(土)・20日(日)── 神輿渡御
陰祭りでも若宮近隣町会を中心に神輿連合渡御が行われる。大祭ほどの規模ではないが、向島の通りを神輿が練る光景は変わらない。観覧希望者は当日の公式SNS情報で経路を確認したい。
限定御朱印
例大祭期間に合わせ、例大祭限定御朱印が登場する(頒布期間の目安:9月中旬〜9月30日)。
牛嶋神社は年間を通じ毎月丑の日にも限定御朱印を頒布している。2026年9月の丑の日は9月12日(土)と9月24日(木)。例大祭前後の参拝なら、丑の日との組み合わせも狙える。
授与所の受付時間は9:00〜16:00(時期により変動あり)。混雑時は書き置きが中心となる。
アクセス
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 住所 | 東京都墨田区向島1-4-5 |
| 最寄駅 | 東武スカイツリーライン 「東向島」駅 徒歩8分 / 都営浅草線「本所吾妻橋」駅 徒歩7分 |
| 参考目標 | 言問橋東詰・隅田公園北端 |
東京スカイツリーからは徒歩約15分。隅田公園を通って歩くと川と桜並木を横目に見ながら向かえる(9月はまだ葉が残る季節)。
東京都内の神社年中行事については神社の年中行事|初詣から大祓まで、祭事の意味と楽しみ方に詳しい。
情報ソース:
画像: Ushijima-jinja_01.jpg — Higa4, CC0 1.0 (Public Domain), via Wikimedia Commons
この記事の情報は2026年8月15日時点のものです。行事の日時・内容は変更される場合があります。最新情報は公式SNS(@ushijima_jinja)をご確認ください。


