丹生酒殿神社・鎌八幡宮
基本情報
由緒
吾輩は白狐。悠久の時を生きる者じゃ。この丹生酒殿神社と鎌八幡宮の由緒、吾輩が語って聞かせようぞ。 和歌山県伊都郡かつらぎ町三谷に鎮座するこの二社は、古き良き日本の魂が息づく場所であるな。 まず、**丹生酒殿神社**じゃが、その名が示す通り、丹生都比売大神と酒造りとの縁が深い神社であるぞ。いつ頃からこの地に鎮座しているのか、正確な年代は定かではないが、遙か昔からこの地の民の信仰を集めてきたことは確かであるな。祭神は、丹生都比売大神の御子神である**高野御子大神**、そして酒造りの神たる**大山祇命**、それに**木花開耶姫命**であるとされているのじゃ。 丹生都比売大神は、あの高野山を開いた空海に神領を授けた神として、世に広く知られておる。ゆえに、高野山とは切っても切れぬ縁があるのじゃな。この丹生酒殿神社は、丹生都比売大神に捧げる神酒を造る聖なる場所であったという伝承が残されておる。故に、この地の民の生活に深く根差した信仰の場であったのじゃ。とりわけ、酒造りの神を祀ることから、五穀豊穣、家内安全、商売繁盛の神として、篤く崇敬されてきたのであるぞ。 さて、その傍らに鎮座する**鎌八幡宮**じゃが、こちらは丹生酒殿神社の境内社であるな。祭神は**誉田別命**、すなわち応神天皇であり、武運長久、厄除けの神として信仰されておる。鎌八幡宮の創建年代もまた、はっきりとは分からぬが、八幡信仰が日本全国へと広がる中で、この地にも勧請されたものと吾輩は考えておるのじゃ。 「鎌八幡宮」という社名には、いわれがある。かつてこの地で疫病が猛威を振るった際、民が鎌を奉納して祈願したところ、疫病がぴたりと収まったという伝承があるのじゃ。また、農作業に用いる鎌を奉納し、豊作を祈願したことに由来するという説もあるな。この地の民にとって、生活の安全と豊かさを守る、まことに大切な神様として、代々信仰されてきたのであるぞ。 この二社は、かつらぎ町の豊かな自然の懐に抱かれ、古からこの地の民の暮らしと信仰の中心として、大切に守られてきた聖地であるのじゃ。