名古屋の御朱印巡りの中心は、なんといっても三種の神器のひとつ「草薙神剣」を祀る熱田神宮だ。年間約650万人が参拝する全国屈指の大社でありながら、境内には豊富な摂末社が点在し、一日で複数の御朱印を集められる。市街地に目を移せば、徳川家康ゆかりの名古屋東照宮、古い商人文化が息づく若宮八幡社・洲崎神社、縁結びで知られる山田天満宮など、個性豊かな神社が並ぶ。この記事では御朱印がいただける名古屋の神社15社を厳選し、御朱印の特徴・授与情報・参拝コースを紹介する。
1. 熱田神宮(名古屋市熱田区)

ご祭神: 熱田大神(天照大神の神霊として草薙神剣に宿る)
創建は景行天皇43年(西暦113年頃)と伝わる、伊勢神宮につぐ格式を持つ全国屈指の神宮。三種の神器のひとつ「草薙神剣(くさなぎのつるぎ)」を御神体として奉斎し、歴代天皇・武将の崇敬を受けてきた。約19万坪の広大な社域は国指定の史跡・名勝で、樹齢千年を超える大楠や、多くの摂末社が鬱蒼とした杜の中に点在する。織田信長が桶狭間の戦い前夜に必勝を祈願し、勝利のお礼として奉納した「信長塀」も必見。
- 御朱印の特徴: 「熱田神宮」の堂々たる墨書きに三種の神器を示す朱印。格式と力強さを兼ね備えた、名古屋御朱印巡りの核心
- 初穂料: 500円
- アクセス: 名鉄名古屋本線「神宮前駅」から徒歩3分、地下鉄名城線「熱田神宮伝馬町駅」から徒歩7分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 7:00〜16:30 |
| 授与場所 | 授与所(本宮東側) |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(初詣・例大祭・月替わり) |
2. 上知我麻神社(名古屋市熱田区)
ご祭神: 乎止与命(おとよのみこと)
熱田神宮の境内摂社として、神宮西門に近い場所に鎮座する。「智慧の神様」として知られ、試験合格・学業成就・知恵授かりの御利益を求める参拝者が多い。境内には「身代わりお守り」の発祥伝説があり、受験シーズンには熱田神宮と合わせて訪れる参拝者で賑わう。御朱印は熱田神宮の授与所でも対応しているが、摂社独自の社務所でいただくのがおすすめ。
- 御朱印の特徴: 「上知我麻神社」の繊細な墨書き。智慧の神にふさわしい、静かな知性を感じる一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 熱田神宮境内(西門付近)
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:00 |
| 授与場所 | 境内社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(合格祈願シーズン限定) |
3. 高座結御子神社(名古屋市熱田区)
ご祭神: 高倉下命(たかくらじのみこと)
熱田神宮の境内摂社で、「産業・縁結び・子どもの守護」として信仰される。境内はこじんまりとしているが、熱田の杜の静寂の中にあり、熱田神宮参拝のついでにひっそりと立ち寄れる穴場摂社。「縁結び」の御利益が広まったことから、近年は若い世代の参拝者も増えている。
- 御朱印の特徴: 「高座結御子神社」の丁寧な墨書き。縁結びの神らしい、温かみのある一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 熱田神宮境内(南側エリア)
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:00 |
| 授与場所 | 境内社務所(熱田神宮授与所でも対応) |
| 書き置き/直書き | 書き置き中心 |
| 限定御朱印 | あり |
4. 名古屋東照宮(名古屋市中区)

ご祭神: 徳川家康公・徳川義直公
元和5年(1619年)、尾張藩初代藩主・徳川義直が父・家康を祀るために創建した徳川家ゆかりの東照宮。現存する唐門・御供所・東照宮本殿は国の重要文化財に指定されており、桃山様式の精巧な彫刻が見事。名古屋市中区の那古野エリアに位置し、旧徳川家の菩提寺・建中寺(東区)や若宮八幡社と合わせた「徳川名古屋歴史コース」として参拝できる。
- 御朱印の特徴: 「名古屋東照宮」の格調ある墨書きに葵の御紋。家康ゆかりの東照宮にふさわしい、武家文化の薫る一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 地下鉄鶴舞線「大須観音駅」から徒歩10分、または地下鉄桜通線「丸の内駅」から徒歩12分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:30 |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(家康命日・葵祭) |
5. 若宮八幡社(名古屋市中区)
ご祭神: 仁徳天皇・品陀和気命(応神天皇)
永享7年(1435年)の創建と伝わる、名古屋随一の由緒ある神社のひとつ。毎年5月に行われる「若宮まつり」は「名古屋三大祭」のひとつとして知られ、江戸時代から続く山車(だし)の巡行が名古屋の春の風物詩となっている。中区の繁華街・大須の北側に位置し、大須観音との近さから両方を訪れる参拝者が多い。
- 御朱印の特徴: 「若宮八幡社」の端正な墨書きに八幡の印。名古屋三大祭の格式を感じる、由緒ある一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 地下鉄名城線「矢場町駅」から徒歩5分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜17:00 |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(若宮まつり期間中・月替わり) |
6. 洲崎神社(名古屋市中区)
ご祭神: 洲崎大神(素盞嗚尊・奇稲田姫命)
「洲崎の龍神」として親しまれ、江戸時代の名古屋城下町の総鎮守的な役割を担ってきた古社。中区の繁華街・錦通りに近い立地ながら、小社ながら静かな境内を保つ。厄除け・縁結びの御利益で知られ、名古屋の下町文化が息づく神社として地元の参拝者に愛されている。
- 御朱印の特徴: 「洲崎神社」の素朴な墨書きに龍の印。下町の守護神らしい、飾らない力強さを感じる一体
- 初穂料: 300〜500円
- アクセス: 地下鉄東山線「伏見駅」から徒歩10分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜17:00(要確認) |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 書き置き中心 |
| 限定御朱印 | あり(季節限定) |
7. 富士浅間神社(名古屋市中区)
ご祭神: 木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
中区葵(あおい)に鎮座する、富士山本宮浅間大社を総本社とする浅間神社の一社。「花の女神」木花咲耶姫を祀り、縁結び・安産・厄除けの御利益で知られる。境内は小さいながら整然とした趣があり、名古屋都心部で富士山信仰に触れられる貴重な場所。
- 御朱印の特徴: 「富士浅間神社」の優雅な墨書きに富士山と桜の印。木花咲耶姫の花の女神らしい、美しい一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 地下鉄桜通線「車道駅」から徒歩5分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:00(要確認) |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 書き置き |
| 限定御朱印 | あり(桜の季節・浅間祭) |
8. 山田天満宮(名古屋市西区)
ご祭神: 菅原道真公
西区の下町エリアに鎮座し、「名古屋の天神さん」として親しまれる学問の神様の社。道真公ゆかりの梅の木が境内に植えられており、2月の梅まつりには多くの参拝者が訪れる。境内に「金神社(こがねじんじゃ)」も鎮座しており、金運・商売繁盛の御利益でも知られる名物の二社参りができる。金神社の御朱印は金色の文字が映える豪華な一体で、御朱印集めの観点からも人気が高い。
- 御朱印の特徴: 「山田天満宮」の凛とした墨書きに梅と牛の印。下町の天神様にふさわしい、温かみある一体。金神社との二社参りで両方の御朱印を集めるのがおすすめ
- 初穂料: 500円
- アクセス: 地下鉄鶴舞線「浄心駅」から徒歩10分、または名鉄名古屋本線「栄生駅」から徒歩10分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜17:00 |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(梅まつり・月替わり) |
9. 枇杷島神社(名古屋市西区)
ご祭神: 素盞嗚尊・稲田姫命・事代主命
名古屋市西区の枇杷島エリアに鎮座する古社。「枇杷島祭り」は江戸時代から続く山車まつりとして知られ、国の重要無形民俗文化財に指定された。素盞嗚尊・稲田姫命の縁から厄除け・縁結びの御利益があるとされ、枇杷島エリアの旧宿場町の雰囲気の中で参拝できる穴場スポット。
- 御朱印の特徴: 「枇杷島神社」の落ち着いた墨書き。旧宿場町の空気を宿す、素朴な一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 名鉄名古屋本線「枇杷島駅」から徒歩5分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:30(要確認) |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 書き置き・直書き両対応 |
| 限定御朱印 | あり(枇杷島祭り期間中) |
10. 七所社(名古屋市瑞穂区)
ご祭神: 五十猛神・天照大神・春日大神・住吉大神・八幡大神・香取大神・鹿島大神(七柱合祀)
瑞穂区の古い住宅街に静かに鎮まる、その名の通り七柱の神を合祀した神社。創建は平安時代に遡るとも伝わる古社で、地域住民の厚い崇敬を受けてきた。七柱の神を一度に参拝できることから、開運全般・多様な御利益を求めて訪れる参拝者が多い。名古屋の御朱印マニアには知られた穴場スポットのひとつ。
- 御朱印の特徴: 「七所社」の端正な墨書き。七柱の神々が宿る神社にふさわしい、格調ある一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 地下鉄桜通線「桜山駅」から徒歩15分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜17:00(要確認) |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(例大祭) |
11. 針名神社(名古屋市天白区)
ご祭神: 神功皇后・仲哀天皇・応神天皇・比咩大神
天白区平針(ひらばり)に鎮座する古社で、「八幡社」として地域に親しまれてきた。武運・勝負運の御利益で知られる八幡大神を中心に祀り、近年では刀剣乱舞との関連から「刀剣御朱印」を求めるファンも訪れる。名古屋郊外の静かな住宅地に位置し、落ち着いた雰囲気の中で参拝できる。
- 御朱印の特徴: 「針名神社」の力強い墨書き。八幡の武神を感じさせる、堂々とした一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 地下鉄鶴舞線「平針駅」から徒歩10分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜17:00(要確認) |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(季節限定) |
12. 成海神社(名古屋市緑区)
ご祭神: 日本武尊・宮簀媛命・建稲種命
緑区鳴海に鎮座する、尾張国の古社のひとつ。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の東征にまつわる伝承地のひとつとされ、古事記・日本書紀とも関わりが深い。鳴海は東海道の宿場町としても栄えた地で、成海神社はその鎮守として長く地域を見守ってきた。近くの桶狭間古戦場とのコースで歴史参拝が楽しめる。
- 御朱印の特徴: 「成海神社」の格調ある墨書きに日本武尊の印。古代の英雄神と東海道の宿場町の歴史が宿る一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 名鉄名古屋本線「鳴海駅」から徒歩10分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:30 |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(例大祭・月替わり) |
13. 桶狭間神明社(名古屋市緑区)
ご祭神: 天照大神・豊受大神
桶狭間(おけはざま)の地に鎮座する神明社。永禄3年(1560年)の「桶狭間の戦い」の古戦場に近く、織田信長の歴史ドラマと切り離せないロケーションにある。境内には古戦場碑が建ち、観光と参拝を兼ねて訪れる人も多い。神明造の清楚な社殿が印象的で、歴史の重みを感じながら参拝できる。
- 御朱印の特徴: 「桶狭間神明社」の凛とした墨書き。天照大神を祀る神明社の清澄さと、信長の時代が宿る歴史ある一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 名鉄名古屋本線「有松駅」から徒歩20分、またはタクシー利用が便利
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:30(要確認) |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 書き置き中心 |
| 限定御朱印 | あり(桶狭間古戦場まつり) |
14. 津島神社(愛知県津島市)
ご祭神: 建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)
名古屋市中心部から車で30分ほど、津島市に鎮座する全国に約3千社ある天王社(津島神社)の総本社。スサノオを祀る「牛頭天王(ごずてんのう)」信仰の中心地として、古くから厄除け・疫病退散の神として崇敬されてきた。毎年7月に開催される「尾張津島天王祭」は国の重要無形民俗文化財に指定され、夜の川面に灯籠を乗せた巻藁舟(まきわらぶね)が行き交う幻想的な祭として知られる。
- 御朱印の特徴: 「津島神社」の堂々たる墨書きに牛頭天王の印。全国天王社総本社にふさわしい、スサノオの威厳を感じる一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 名鉄津島線「津島駅」から徒歩15分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜17:00 |
| 授与場所 | 授与所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(天王祭期間・月替わり) |
15. 萱津神社(愛知県あま市)
ご祭神: 鹿屋野比売命(かやのひめのみこと)
あま市に鎮座する、全国唯一の「漬物(香物)の神様」を祀る神社。日本書紀に登場する「草の神」鹿屋野比売を祀り、毎年8月21日には収穫に感謝して漬物を奉納する「香物(こうのもの)祭」が行われる。日本の食文化・漬物文化を守る神社として全国の食の関係者からも参拝され、ユニークな御朱印は食文化に関心のある御朱印コレクターに人気。
- 御朱印の特徴: 「萱津神社」の素朴な墨書きに漬物桶をモチーフにした珍しい印。日本唯一の漬物神社らしい、ユニークで温かみある一体
- 初穂料: 500円
- アクセス: 名鉄津島線「萱津駅」から徒歩5分
授与情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授与時間 | 9:00〜16:30 |
| 授与場所 | 社務所 |
| 書き置き/直書き | 直書き |
| 限定御朱印 | あり(香物祭・季節限定) |
エリア別・効率的な御朱印巡りコース
熱田神宮エリア半日コース(3〜4社)
熱田神宮(本宮) → 上知我麻神社(摂社) → 高座結御子神社(摂社) → (余力があれば)萱津神社(名鉄で20分)
熱田神宮の広大な境内で主要な御朱印を集めた後、名鉄で足を延ばすコース。
中区・那古野歴史コース(3〜4社)
名古屋東照宮 → 若宮八幡社 → 洲崎神社 → 富士浅間神社
地下鉄と徒歩で回れる市中心コース。徳川名古屋の歴史を感じながら参拝できる。
緑区・歴史戦国コース(2社)
成海神社 → 桶狭間神明社
鳴海宿から桶狭間古戦場へ。信長の時代をたどる歴史散策と合わせて参拝できる。
近郊延長コース(2社)
津島神社 → 萱津神社
名鉄津島線で足を延ばす半日コース。全国総本社と全国唯一の漬物神社を組み合わせるユニークなルート。
御朱印巡りの心得
名古屋参拝のポイント
- 熱田神宮は早朝が最適: 年間参拝者650万人の大社。土日祝日の午前10時以降は授与所に行列ができることも。開門直後(7時)に訪れると静かに参拝できる
- 摂末社の御朱印は時間がかかる場合も: 熱田神宮の境内社(上知我麻神社・高座結御子神社など)は社務所対応が中心。事前に授与時間を確認してから訪れること
- 山田天満宮と金神社: 境内で2種の御朱印が集められる名古屋の御朱印名所。金神社の御朱印は人気が高く、土日には行列になることもある
- 津島・萱津への近郊アクセス: 名鉄津島線を使えば名古屋駅から30〜40分圏内。日帰りで余裕を持って参拝できる
名古屋ならではの視点
熱田神宮の「草薙神剣」は、ヤマトタケルノミコトが相模の野火で難を逃れた伝説の剣であり、日本書紀・古事記に登場する三種の神器の実物が今もここに奉斎されているという事実は、他の神社と一線を画す迫力がある。参道の深い森は名古屋都心にあって別世界の静寂をたたえており、御朱印を受けるだけでなく、その空気そのものを体験するために訪れる価値がある。
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熱田神宮参道 by Immanuelle, CC BY 4.0, Wikimedia Commons
名古屋東照宮唐門 by Bariston, CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons
記事トップ画像: 熱田神宮 by 円周率3パーセント, CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons


