イベント

伊勢神宮 外宮お木曳行事2026|20年に一度の御用材奉曳が5月9日から始まる

伊勢神宮 外宮お木曳行事2026|20年に一度の御用材奉曳が5月9日から始まる
目次

伊勢神宮 外宮お木曳行事2026|20年に一度の御用材奉曳が5月9日から始まる

2026年5月9日(土)から6月13日(土)の毎週金土日、伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)でお木曳行事が行われる。


20年に一度の民俗行事

「お木曳行事(おきひきぎょうじ)」は、式年遷宮のための御用材(建築用のヒノキ材)を古式のままに神宮域内へ曳き入れる行事だ。

伊勢神宮の式年遷宮は、20年ごとに全ての社殿を新しく造り替え、大御神に新しいお住まいへ移っていただく神事。次回、第63回式年遷宮は2033年秋に予定されており、そこへ向けた準備行事の一環として2026年のお木曳が始まる。

一生に何度経験できるか、という問いに答えるなら:20代に一度目を見た人が、次に見るのは40代になってからだ。ほとんどの人にとって、これは人生で2〜3回しかない機会になる。


「壊して建て直す」という永続の哲学

式年遷宮を語るとき、よく「もったいない」という感想が出る。まだ使える社殿を壊して建て直すのか、と。

しかし遷宮の本質は破壊ではなく、技術と記憶の更新にある。

社殿を建て直すたびに、大工・塗師・金具師・機織りなど多岐にわたる職人たちが、実際の作業を通して技術を次世代へ伝える。マニュアルではなく、体で覚える技術の継承。20年というサイクルは、一人の職人が「弟子として学ぶ時期」と「師として伝える時期」の両方を経験できる絶妙な間隔でもある。

その第一歩が、お木曳行事だ。木曽(長野・岐阜)の山から伐り出された約1万本のヒノキが、伊勢の民と全国の崇敬者の手で引き入れられる。機械を使わず、縄と人力で。これは非効率の選択ではなく、「人が関わること」そのものが奉納であるという思想から来ている。


外宮お木曳行事の概要

今年の外宮(豊受大神宮)での行事は**陸曳き(おかびき)**と呼ばれる。

項目内容
開催期間2026年5月9日(土)〜6月13日(土)
開催曜日毎週金・土・日曜日
場所宮川・度会橋付近〜外宮北御門(約2.2km)
主催伊勢神宮 / 伊勢市
観覧無料(沿道から自由に見学可能)

「エンヤ曳き」と呼ばれる場面では、法被姿の奉曳団が「エンヤ、エンヤ」の掛け声を上げながら巨大な奉曳車を曳く。商店街の路地を縄が張り渡され、車輪の軋む音と木遣り唄が街に響く。

なお、内宮(皇大神宮)の川曳き(かわびき)は7月25日〜8月2日に予定されており、五十鈴川の水中を御用材が運ばれる光景はまた別の迫力がある。


歴史:500年以上続く民俗行事

遷宮の歴史は持統天皇の御代(690年)に始まるが、お木曳行事の記録は室町時代にまで遡る。つまり500年以上続いてきた行事だ。

現在は国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」として、伊勢市の無形民俗文化財としても指定されている。

元々は神宮のための材木搬入という「労役」だった。それがいつの間にか「奉納」になり、「祭礼」になり、「誇り」になった。伊勢の人たちがこの行事に参加する動機は、義務ではなく、自分の一生の中に式年遷宮という時間を刻み込みたいという感覚に近いのだと思う。


仮御樋代木伐採式(5月17日・長野県上松町)

今年の5月17日(日)午前10時、長野県木曽郡上松町で「仮御樋代木伐採式(かりみとしろきばっさいしき)」が執り行われる。

御樋代木(みとしろき)とは、神様の御魂代(みたましろ)を奉安するための特別な木のこと。遷宮に必要な木材の中でも特別な位置づけにあり、木曽の御料林から切り出される。伐採式そのものは神職らによって執り行われる儀式だが、この「材木の旅の始まり」が遠く山中で静かに行われていることを知ると、お木曳行事の意味合いがより深くなる。

木が伊勢に届くまでの工程全体が、すでに神事として始まっている。


この時期に伊勢を訪れるということ

お木曳行事は見学自由だが、参加(奉曳団への加入)は事前申し込みが必要。伊勢の氏子町や全国各地の崇敬奉曳団が組織されており、縄の端を握って曳く体験は観光とは異なる次元のものになる。

見学だけでも十分に価値がある。金土日の外宮参道や宮川沿いには、普段の伊勢とは異なる空気が流れている。

御朱印について:外宮(豊受大神宮)の御朱印は授与所で通年頒布されている。お木曳行事に合わせた特別版は設定されていないが、2026年という遷宮準備の年に受けた御朱印には、静かな文脈が宿る。内宮・外宮に加え、月讀宮・瀧原宮・伊雑宮・倭姫宮・月夜見宮の別宮御朱印も合わせてめぐると、計7ヶ所の御朱印が集まる。


アクセス

項目内容
外宮(豊受大神宮)三重県伊勢市豊川町279
最寄り駅JR・近鉄「伊勢市駅」から徒歩5分
外宮参拝時間5〜8月: 5:00〜18:00
公式サイト伊勢神宮公式

お木曳行事の開催日程詳細は伊勢御遷宮委員会(isesengu.jp)で随時更新される。


画像: 外宮でのエンヤ曳き(外宮お木曳行事、北御門)— Tawashi2006, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

情報源: 伊勢神宮 祭典・催しカレンダー / 伊勢御遷宮委員会 / スカイチケット観光ガイド

この記事の情報は2026年5月5日時点のものです。行事の詳細は主催者の公式サイトでご確認ください。

#伊勢神宮 #外宮 #お木曳き #式年遷宮 #三重 #民俗行事 #御用材 #神宮

関連記事